ニューヨークを中心とした食と栄養情報:過去のブログは「ニューヨーク食育&フード事情」http://ebis.nutritio.net/columbia/


by AsakoFoodToEat
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栄養カウンセリングの実践本ならこれ!

f0205909_1491373.jpg主な私の栄養士としての仕事は栄養カウンセリングなのですが、これが容易ではありません。正直言って英語でカウンセリングするほうがラクなのです。もちろん言葉の壁はありますが、日本語でカウンセリングするほうが難しいのです。しかし大学院時代に履修した栄養カウンセリングの授業内容を思い出したり、使用した教科書を今も活用しながらがんばっています。

その教科書の1つ、モリー・ケロッグ(Molly Kellogg)氏の「栄養セラピストのためのカウンセリングのヒント」(原題:Counseling Tips for Nutrition Therapists)は動機付け面接法やマインドフルネスを取り入れたカウンセリング技法が各ヒントとして紹介されています。現在では本と彼女のウェブサイトを含めると80以上のヒントが紹介されています。

ケロッグ先生は米国登録栄養士であり、臨床社会福祉士の資格も持つ栄養カウンセリングの第一人者です。米国のフィラデルフィア州で一対一、グループカウンセリングをかたわら、学生、栄養士を対象とした栄養カウンセリング方のワークショップを主催しています。今年の4月にケロッグ先生のワークショップに参加してきました。

いろいろな縁が巡り、国立健康栄養研究所の廣田先生と一緒に栄養セラピストのためのカウンセリングのヒントを医歯薬出版社から出版されている雑誌「臨床栄養」に6回に渡りご紹介させていただきました。詳しくは雑誌をご覧ください。連載が12月で終わるのですが、これを機に研究所のウェブサイト内のリンクDEダイエットのブログ版を通してケロッグ先生のカウンセリングのヒントを少しずつ紹介させていただくことになりました。さっそく廣田先生ウェブサイト掲載に取り掛かって下さいましたので一度ご覧になってください。
http://d.hatena.ne.jp/khirota1958/

今回はワークショップに参加した時にケロッグ先生にインタビューをさせていただいたので、それをご紹介します。

Asako: 先生の経歴は、御著書にもあるていど書かれていらっしゃいますが、もうすこし詳しいことをお教え願えないでしょうか。
先生は、以前臨床栄養士として働かれていたとお聞きしたように思うのですが(間違っていたらごめんなさい)、病院あるいはクリニックで働かれていたときは、栄養カウンセリングのやり方を指導してもらえる指導者はいましたか?

Kellogg: いい質問ですね。でも答えはノー、いませんでした。良き指導者といえる栄養士は何人かいましたが、基本的に適切な栄養摂取、食事法などについての指導の仕方を教えることが中心でした。どうしたら患者にカウンセリングができるかは、まったく教えてもらった記憶がありません。それゆえに、わたしは栄養の分野を離れてカウンセリングの勉強をすることになったのです。

Asako: 先生が、栄養学科の学生だった頃興味を持たれていたのはどの分野ですか? あるいは最初から栄養カウンセリングの専門家になろうとお考えだったのですか?

Kellogg: わたしは、単純に人々の食生活を改善してより健康になることに寄与できたらいいと思っていました。保健所や健康センターのようなところで働くつもりでいたので、Women, Infants and Childrenプログラム(妊婦、5歳以下の子供のいる家庭を対象に、栄養のバランスが取れた食事が出来るようにサポートをしてくれる栄養補給プログラム)で働くことにしました。

Asako: 登録栄養士は、栄養カウンセリングをする必要があるとお考えでしょうか? としてら、その理由はなんですか? わたしがこの質問に特に興味があるのは、日本には管理栄養士以外にも栄養カウンセリングや食コーチングを実践している人たちが存在するからです。その人たちは、食コーチなどの名称で、実質的に栄養カウンセリングをおこなっています。もちろん、彼らは食と栄養について、最低でも一年以上は学んでいるわけですが。

Kellogg: もちろん、米国でも同様な問題が存在するのはご存知のとおりです。食事というのは、万人が自分を専門家と自認する分野ですから。ただ、わたしが思うに、登録栄養士は、栄養学の専門家として、極めて科学的な臨床栄養学研究の成果をきちんと理解できるよう教育を受けており、さらにそれを現実に食生活上の問題を持っているクライアントに適用していける能力をもっているわけです。この点に関しては、登録栄養士は、保健師や看護師の追随を許さない専門性を有しています。ただ、現実問題として、米国でも登録栄養士は、カウンセリングについては充分な教育を受けているとはいえません。だからこうしてやっているわけですね。

Asako: 先生がワークショップを始められたのはいつどこで, でしょうか? そのきっかけはなんだったのですか?

Kellogg: わたしが、登録栄養士としての現場経験があり、なおかつ臨床社会福祉士でもあることを知った同僚が、カウンセリングについて現場の栄養士の小さなグループで話をしてくれないかと言ってきたのが最初です。2000年ごろのことだったと思います。わたしは自分に話すことなんてあるだろうかと思って最初は躊躇しましたが、結局引き受けることにしました。講演は幸い好評で、わたしも興味が出てきたので、もう少し自分にもできることがないかと考え始めました。それでワークショップを立ち上げたのですが、最初の何回かはあまりうまくいきませんでした。現場での実地の体験談が絶対的に不足していることを実感して、みんなで経験を積むことにしました。自身の経験に加えワークショップで語られる参加者の体験談によって、カウンセリングの技法に厚みが出てきました。結局ワークショップによって私自身も育ってきたということです。

Asako: 最初の著書を出版されるのにどれくらいかかりましたか? 本の出版からなにか学んだことがありますか?

Kellogg: 最初のヒントを書いてから数年たったころ、わたしは最初の25のヒントをまとめて出版しようと思い立ちました。ヒントの本文だけでなく、しっかりした本にするために、本に入れるための症例研究や対話例など集めるのにさらに6ヶ月ほどかかりました。

Asako: ヒント#3(行動実験)で先生はゲシュタルト療法に触れられています。他に先生がヒントで使われている重要な心理療法あるいは技法がありますか?

Kellogg: わたしが栄養カウンセリングにもっとも適していると考えている既存の心理療法は、次のふたつです。

*動機づけインタビュー
*認知行動療法

多くのヒントでこの方法論を取り入れています。

栄養カウンセリングに携わる方、ウェブサイトをご覧になって少しでもご興味を持っていただけたら嬉しいです!
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by asakofoodtoeat | 2009-11-10 14:10 | 栄養教育: Nutr Edu